交通事故による3つの責任

今回からシリーズで交通事故にあってしまった際の基礎知識を書いていきたいと思います。

交通事故の手続きにおいて、保険金を請求するうえで、各都道府県警察の機関である「自動車事故安全運転センター」の発行する「交通事故証明書」が必要になります。

交通事故に関しては大きく分けて、行政上の責任民事上の責任刑事上の責任 の3つの責任を負う事があります。

民法上の責任
民法第709条は「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と定めています。
しかし、この規定では加害者に故意・過失があったかどうかの証明を被害者がしなくてはなりません。
民法は1896年に制定されましたが、当時は自動車の事などまったく想定していませんでした。
自動車事故について被害者が立証することは困難で、自動車台数が増えてきた昨今、民法では被害者保護がむずかしいため、1955年に自動車損害賠償保障法(自賠法)が制定されました。

自動車損害賠償保障法(自賠法)
「この法律は、自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立することにより、被害者の保護を図り、合わせて自動車運送の健全な発達に資することを目的とする」(第1条)

交通事故と刑法の責任
交通事故で刑法が適用されるのは、第211条の「業務上過失致死傷罪」の規定です。また、車を利用して故意に人をひき殺した場合には「殺人罪」(第199条)に処せられます。

道路交通法
この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図りおよび道路の交通に起因する傷害の防止に資することを目的としています。自動車を運転する人にとってもっとも関係の深い法律といえます。

また、交通事故にあって被害を受けた場合、相手(加害者側)に対して損害賠償の請求ができます。
人身事故と物損事故がありますが、賠償の対象となる損害は次の3つに分類することができます。

1、積極的損害
病院などでかかった怪我の治療費や入院費、雑費、交通費など、被害者がその事故のために実際に払った費用。

2、消極的損害
休業損害や逸失利益のように、被害者が交通事故にあわなければ当然手に入ったと予想される利益で事故のために発生した損失

3、慰謝料
事故によって被害者が受けた肉体的・精神的な苦痛という無形の損害。それを慰めるための費用。

・過失相殺

交通事故の場合、加害者・被害者双方にある程度ずつの過失がある場合が多くみられます。そのような場合はそれぞれの過失の割合に応じて、賠償額が相殺されて算定されます。(民法第722条第2項)。これを過失相殺といいます。

・物損事故で認められる損害

交通事故で自動車や道路脇の建物などの施設が損壊したのみで、人身事故が伴わない場合を「物損事故」といいます。自賠責保険には適用がなく慰謝料などの請求も認められません。

1、物損事故に対する自賠責保険の適用
自賠責保険の対象は人身事故に限られており、被害が大きくても物損事故には適用されません。
加害者側の対物保障も含めてた任意保険に加入していない場合は、すべて損害賠償は加害者本人に直接請求することになります。

2、損害に対する修理費・代車使用料
被害車両が大破して修理不能となった場合、または修理費が被害車両の事故時における交換価格を上回る場合には、修理が可能であっても「全損」として扱われ、車を購入した値段ではなくて、事故直前の被害車両の交換価格が賠償額とされます。

 

詳しくは弁護士等にご確認されるのがいいと思います。

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